センチメンタル ピリオド。 #腐向け #薬厚 【薬厚】センチメンタルピリオド

「センチメンタルピリオド / UNISON SQUARE GARDEN」の楽譜一覧

センチメンタル ピリオド

「っあ~!」 濡れた濡れたと騒ぎながら、薬研と厚は薬研のアパートの玄関にもつれ合うように転がり込んだ。 毛先からぱたぱたと雫を落としながら薬研が先に部屋に上がり脱衣所からバスタオルを二枚取り出すと、その内の一枚を厚に投げてよこした。 「サンキュな」 白いタオルを受け取りながらそう返し、「ぐっしょぐしょだ」と言いながら履いていたスニーカーと靴下を脱いでいく厚のしっとりと濡れた首筋に、薬研はくちびるを寄せた。 「、こら」 ぺちん、と音をさせて薬研の額を叩いた厚は、けれどにんまりと口の端に笑みを浮かべている。 それを見て薬研は一度だけぱちりと瞬いて、けれどすぐに同じように笑みを浮かべると「風呂沸かすな」と言って給湯器のスイッチを押した。 突然降り始めた雨はいまだに降りやむ気配はなく、窓の外でザアザアと雨音を鳴らしている。 薬研と厚の休みが珍しくかぶり、今日と明日は誰に気兼ねすることなくいちゃいちゃとふたりで薬研の部屋に籠ることになっていた。 昼間は電気屋街をめぐり、ホームセンターで切れかけていた洗剤やらなんやらを買い込んで戻る矢先の雨。 当然どちらも傘など持っているはずもなく、5月の雨に盛大に濡れてしまった。 風呂が沸くまでの短い間のためにしっかりと着こむのも面倒で、ふたりはTシャツとハーフパンツというラフな格好でリビングと呼ぶには烏滸がましい6畳の和室に並んで座っていた。 春も過ぎたとはいえ、まだ夏前の雨はわずかに冷たさを孕み、厚がふるりとその肩を震わせると、薬研はそっとその肩に腕を回す。 不意に訪れた雨の高揚はふたりを包み、常よりもそわそわと落ち着かない。 そんな思いを見透かすように、ふたりはふ、と熱い呼気を吐き出して、そうしてゆっくりとくちびるを重ねた。 「……ん」 ぴちゃ、と聞こえる水音に体の奥に火が灯るのを感じる。 抱き合って合わせた舌は冷えた体とはまるで別の生き物のように熱い。 「あつ」 口付けの合間に寄越された己の名に、厚は答える代わりに薬研の首筋に腕を回した。 それを合図にするように、薬研は片手で厚の形の良い後頭部を支えたまま、もう片方の手を厚のシャツの裾に差し入れた。 薬研の冷えた指先が厚のあたたかな腹に触れると、ぴくりと厚は身じろぐ。 「や……げ、」 名を呼ぶ声は静止か許しか。 まあ、どちらでも構わないかと薬研がゆったりと畳の上に厚を横たえようとした矢先。 ピロロピロロと場違いにのんきな電子音が鳴り響き、弾かれるように厚は目を開けると薬研の肩をゆるく押し返した。 「ふろ、入ってくる」 電気も消さずにスイッチの入ってしまった己を恥じるように、耳まで赤く染めながらそう言う厚に「おう」と返す。 立ち上がりばたばたと浴室へ消えていく後姿を見送りながらがりがりと頭を掻けば、いまだしっとりと濡れた髪から最後の雫が零れ落ちた。 「……嘘だろ……」 6畳間の奥、寝室にあてている部屋の中央に鎮座ましましているベッドの横に置かれたサイドテーブルの抽斗を漁っていた薬研が愕然としたように呟く。 ちなみにこの部屋のサイズから明らかに浮いているダブルサイズのベッドは、ある日盛大に酔っぱらった薬研が記憶のないまま通販でカートに入れて購入してしまった代物である。 財布に厳しく搬入も非常に苦労したそのベッドは、しかし使い始めれば快適この上なく、特に厚が泊まりに来た翌朝など、ふたりでくっついて目覚めた朝の……などという話はどうでもいい。 風呂場からはシャワーの音。 厚が出てきた後に薬研も入れば、あとはやることはひとつである。 だというのに、必需品ともいうべきコンドームが見当たらない。 記憶をたどればそういえば前回張り切って使い切った覚えがあるようなないような。 「阿呆みたいに盛ってんじゃねえよ俺」 過去の自分に毒づきながら、薬研はぱたんと抽斗を閉めた。 窓の外からは相変わらずザアザアとまるで台風か何かのような雨音が続いている。 家賃相応に駅から遠いこのアパートは近くにコンビニもない。 今からこの雨の中外出するのは気が重いが、ゴムがなければセックスはできない。 はあ、と重く深いため息をついて、薬研は厚に少し出ることを伝えようとベッドから下りた。 「別にいいだろ」 ゴムがないので買いに行く、とこれ以上ないほど端的に告げた薬研に、厚はひどくあっさりとそう言った。 「……あ?」 思わずガラの悪い声が出て、薬研はむぐむぐと口をつぐむ。 「別に泊まりに来たんだからセックスしなきゃなんねぇわけでもねぇし、たまにはいいんじゃねぇか?」 そんなことを言いながら健全健全、とけらけら笑う厚を、薬研は信じられないものを見るような目で見てしまう。 さっきまであんなヤラシイ顔をしてたのはどこのどいつだよ! 思わず叫んでしまいそうになって、けれどそんなことを言えば厚が機嫌を損ねてしまうのは目に見えていたのでなんとか思いとどまる。 「だって外はすげぇ雨だぜ?」 だから今日はもういいじゃねぇか。 そう言って、厚は「もうすぐ出るから薬研も風呂入ってあったまれよ」と続けると、ぱたんと浴室の扉を閉めてしまった。 基本的に厚には勝てない薬研は、厚の言うまま風呂に入りほこほこと湯気を立てながら出てきた。 厚は寝室と呼ばざるを得なくなった六畳間続きの四畳半のダブルベッドの上で、楽しそうに薬研を手招いている。 仕方ねえなとこぼしながら、薬研は給湯器のスイッチを切り、六畳間の電気を消して寝室に入ると、厚が差し出す発泡酒の缶を受け取って、ぽこんと音を立てて缶を合わせるとプルトップを開けてぐいと煽った。 そうしてそのままベッドに腰を下ろすと、スプリングが小さく鳴いた。 「あ~つ~」 左手に缶を持ったまま、薬研はぐりぐりと厚の肩口に額を押し付ける。 「なんだよ」 あぶねぇなぁとこぼしながら、けれど楽しそうに厚が返せば、薬研は厚のくちびるに噛みつくように口付けた。 「ゴムないんだろ」 「買いに行くって言ったのによお」 拗ねたような甘えたような声音の薬研に、厚は「この季節の雨はまだ冷えるだろ。 薬研が風邪でも引いたらオレ嫌だぜ」と言って、薬研の額に口付ける。 この部屋に流れる空気はこの上なく甘いけれど、流されるわけにはいかない。 だってゴムがないのだ。 生殺しだ、と思わず口にしてしまってから、薬研は「で、どうすんだよ」と低く問う。 「どうって?」 わかっているのかいないのか、楽しそうに缶を傾ける厚はきょとんとした顔を薬研に向けた。 「この小悪魔め」 毒づけばにんまりと厚のくちびるはゆるく弧を描く。 「まぁ、オレだって? ヤりたくないわけじゃねぇけどさ」 「……今から買いに行くか?」 「だからそれはいいって」 「でも、」 でももだってもなーしー、と言いながら、厚は中身の少なくなった缶をサイドテーブルの上に置くと、薬研の首筋に腕を回した。 「おい、厚!」 正直な話、薬研は限界が近い。 抱き返す余裕もなく慌てる薬研に、厚はくふくふと笑っている。 「あー……、くそ、アマゾンのお急ぎ便ってどれくらいでくんだよ……」 「どんだけだよ!」 恨みがましい薬研の声に、厚はぶはっと吹き出した。 「なんだよ薬研、そんな余裕ねぇの?」 「うるせえ」 ぶすりと頬を膨らませて一気に発泡酒を煽る薬研に、厚は「そっかー」と困ったような顔を向ける。 「オレは薬研といちゃいちゃしたかったんだけどなぁ」 「鬼か」 「でもマジな話、どこまでだったらイケそうだよ」 声音を少しだけ真剣なものに変えて厚が問う。 「どこまでって?」 「んー……、素股……はオレもムリだろうからフェラとか?」 さらりと厚がかわいいことを言った気もするが、薬研はそれには気付かず「無理だな」と即答する。 「今更抜きあいもなぁ……」 うぅん、と悩みながら「まぁ、今日のところはかわいらしく手でも繋いで寝るとするか」というあたりに落ち着いたらしい厚の肩に薬研は手を乗せた。 「それもたぶん無理だ」 重々しく告げる薬研の顔を厚はしばらく無言で見つめ返してから、「マジか」と返した。 恐らく羞恥で赤く染まっているのだろう薬研はひどく難しい顔をしている。 そんな薬研が無性にかわいく思えて、厚はぐいと首を伸ばすと薬研のくちびるに触れるだけの口付けをした。 短い付き合いではないから薬研の臨界点は心得ているつもりだし、厚とてできないことを惜しく思っていないわけではないから、少しだけ試すようなことをしてしまうのは許してほしい。 けれど。 「厚の阿呆!」 叫ぶようにそう言って、薬研は厚から離れてベッドを下りてしまった。 「薬研?」 「もう知らん」 拗ねたように言いながら、薬研は六畳間の押し入れから大学のフィールドワークで使用しているらしい寝袋を取り出すとごそごそとその中におさまってしまう。 「おい、薬研」 厚の呼びかけには答えず「おやすみ」と言う薬研に、厚は焦ったように「薬研、悪かったって」と声をかけるけれど、返る声はない。 「やげーん」 しょんぼりと、まるで置いて行かれた柴犬が飼い主を呼ぶような声で呼ばれて、薬研は一瞬罪悪感に駆られ、けれど今回は悪いのは間違いなく厚であるのだし、と思い直す。 それに、今ベッドに戻ればなし崩し的に甘い雰囲気になってしまうが、なったところで吐き出す先がないことに変わりはない。 この中にいれば物理的に手を出すこともできないし、これはある意味お互いのためだと、薬研は無理やり自分を納得させてぎゅうと目を閉じた。 「なぁ、薬研」 「……」 「その、オレ、明日朝イチでコンビニ行ってくるからさ」 だから、と厚は小さく続ける。 「だから明日はずっと一緒にいような」 恥ずかしくなったのか一息で言い切って、それから「おやすみ!」と布団に潜り込んだらしい厚に、薬研は「おう」と短く答えた。 この声が、厚に聞こえているかはわからないけれど。 厚の約束を後押しするように、窓の外では雨雲が寄越す雨の勢いがサアサアと弱まっているのを、薬研は目を閉じながら感じていた。

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UNISON SQUARE GARDEN、メジャー・デビュー「センチメンタルピリオド」大特集 INTERVIEW

センチメンタル ピリオド

ミュージックビデオ - テンプレートを表示 「 センチメンタルピリオド」は、日本のバンドのメジャーデビュー。 楽曲について [編集 ] センチメンタルピリオド インディーズ1作目のアルバムである「」にも収録されている、当シングル発売の3年以上前から出来ていた曲。 当時からアレンジやメロディは変更されていない。 バンドの音楽の方向性が田淵の中で決まった頃に出来た曲で、メンバーたちが前を見ている姿が伝わってくる曲として、メジャーデビューのタイミングでのリリースが決まった。 5分後のスターダスト 当シングル発売の約1年半前から出来ていた曲。 ガリレオのショーケース ライブでの定番曲。 「どのCDに入っているのかと思ったら、1stシングルのカップリングかよ!」のようなことを狙っての収録。 10周年記念アルバム「」では再レコーディングして収録されている。 収録内容 [編集 ] 全作詞・作曲: 、全編曲: UNISON SQUARE GARDEN。 タイトル 作詞 作曲・編曲 時間 1. 「センチメンタルピリオド」 4:13 2. 「5分後のスターダスト」 4:27 3. 「ガリレオのショーケース」 4:23 1. ONEMAN TOUR 2012 SPECIAL~Spring Spring Spring~ at ZEPP TOKYO 2012. 21 - 2. CIDER ROAD TOUR 2013 at NHK HALL - 3. UNISON SQUARE GARDEN LIVE SPECIAL "fun time 724" at Nippon Budokan2015. 24 - 4. UNISON SQUARE GARDEN TOUR 2016 "Dr. Izzy" at Yokosuka Arts Theatre 2016. 21 - 5. 29 この項目は、に関連した 書きかけの項目です。

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UNISON SQUARE GARDEN 『Catch up, latency』 インタヴュー完全版――「『センチメンタルピリオド』の〈いま〉がこの曲なんだろうな」

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